東京の大雪。大雪……いやいや、北国の方たちから見たら「どこが大雪なのよ??」と笑われてしまう。

ちなみにカミさんは北海道で生まれ育ちましたけど、昨日は出かけてって「いや〜、こりゃすごい雪だね〜。大変だった〜!」とブルブル震えながら帰ってきた。

ええ、おかげさまですっかり東京下町の人間になりましたよ……。

そんな最中あたしは本降りの浅草へ。初席は三人で交互出演の枠になっていますので、たまたまの割り振りで出番日となりまして。

寄席は天変地異やら何やらあっても、演芸を楽しみたくていらっしゃるお客様をお迎えすべく年中無休でやっています。寄席芸人であるあたしたちももちろん運命共同体。

さて時間に余裕を持って浅草に到着すると、浅草寺には初詣の方が結構いらっしゃる。しかも雪化粧をした境内に歓喜の声をあげている。あたしもその絶景に雄叫びをあげておりました。

浅草演芸ホールに着くと、こんな雪の中でもお越しくださっているお客様が20人ほどいらっしゃる。これは予想以上でした。だって雪が風に吹かれて横なぐりになり、電車が止まる可能性が高くて急いで帰宅している人がほとんどなのに、こうして最後まで聴こうという方が実際にいらっしゃるわけで。感謝の気持ちでいっぱいになりました。

お客様の多い少ないは関係ありません。お客様が聴きたいか、そして噺家が聴かせたいか。どちらも同じ方向を向いていれば、必ず良い空間になります。笑いと拍手に包まれて高座を終えた時、この大雪も相まって芸人人生で最高の初席になったなと清々しい気分で楽屋を後にしました。生涯忘れないだろうなぁ。

そして帰りのバスは道が混みまくって大渋滞。少し先のほうでスリップ事故があって、その影響がかなり出ておりました。雪に慣れてない東京では仕方ないのかもしれないけど、やっぱりすべるのは怖いやねぇ、車も芸人も……。