昨日は荒川区立尾久小学校にて4年生の皆さんに落語教室。毎年呼んでいただき有り難い限りです。
解説から盛り上がって落語でいっぱい笑った後に、「想像の大切さ」を真剣にみんなと共有するのが私のライフワーク。

そして今日は鈴本演芸場にて、前座への月例太鼓指導。何事もそうですが、上達に近道なし。
そのためにも大切なのは、『教える立場にいる者がまずきちんと教わってくること』だと信じています。

私はもちろん落語家ですが、長唄囃子方で重要無形文化財総合認定保持者の望月初寿三(はつすみ)門弟でもあります。
お師匠さんは細かいところまで見逃さず指導してくださるので本当に幸せです。芸は覚える時が最も大事ですから。

私が前座のみんなにいつも伝えているのは、「あくまで落語家の出囃子だから長唄本来の打ち方を全く強制しないし、参考にしてくれればそれで良い」ということと、「楽屋で先輩方から色々言ってもらえるのは幸せなこと。でも鳴物についての正しい知識は私が責任持って教えるから、安心して付いて来なさい」ということ。

前座は大人ではあるけれども、落語界ではまだ子どもです。できない子どもに怒ったところで上手くなるわけがない。それより正しいことを繰り返しできるまで面倒みてあげる。そのほうがお互いのためです。

落語協会から前座の鳴物指導を依頼されてから早いもので14年。教える者が本職から覚悟して学ぶ尊さを、この前座の指導のおかげで教わりました。この先もそのスタンスで自分を磨いていきます。