三代目 桂やまと Katsura Yamato the third
一般社団法人落語協会所属真打。
1974年、東京都荒川区生まれ。1999年中央大学卒業とともに桂才賀に入門、2014年三代目「桂やまと」を襲名し真打昇進。
明るく闊達な口調、こまやかな人物描写を持ち味として古典落語、特に人情噺を主軸に研鑽を深める。
目指すのは演じる自分が噺に溶け込み、登場人物そのものがお客様の目の前に表れるような表現。
初めて聴く落語で子どもたちの落語観が決まるとの考えから、学校寄席・落語教室にも積極的に取り組む。
近年は舞台など俳優業でも活躍し、2023年には映画「高野豆腐店の春」(監督・三原光尋)で麻生久美子さん演じるヒロインの恋人役で銀幕デビュー。
江戸時代から先祖代々住む下町・尾久を愛する。
2012年「第11回 さがみはら若手落語家選手権」優勝、2001年「第6回 岡本マキ賞」受賞
所属:一般社団法人落語協会 真打
一門:古今亭志ん朝一門
出囃子:「千両幟(せんりょうのぼり)」 「汐汲(しおくみ)」
芸紋:「一つ花沢瀉(はなおもだか)」「鬼蔦(おにづた)」
特技:寄席囃子の鳴物全般、篠笛、寄席の踊り
趣味:邦楽囃子(長唄太鼓、小鼓)。望月初寿三に師事、望月初秀樹の名を許される
所属芸能事務所:石井光三オフィスhttps://ishii-mitsuzo.com/
所属団体:(一社)長唄協会 正会員、(公社)日本心理学会 認定心理士、(公社)荒川法人会 特別会員、(公社)荒川法人会 青年部会会員、荒川西ライオンズクラブ正会員
中央大学学員会 所属支部:東京文京区支部、東京荒川区支部、南甲倶楽部
他所属:荒川区内小学校PTA会長(平成29[2017]年~令和4[2022]年度)、荒川区立小学校PTA連合会 連合会長(令和4[2022]年度)、荒川区青少年育成尾久地区委員会 理事、東京都立白鷗高等学校鷗友会理事(令和5[2023]年度〜)、
履歴 History
昭和49(1974)年8月30日 東京都荒川区西尾久生まれ
西尾久保育園、荒川区立尾久西小学校、荒川区立第七中学校、都立白鷗高等学校を卒業。
平成7(1995)年4月 中央大学(心理学専攻)に入学
平成11(1999)年3月27日 中央大学を卒業して、桂 才賀に入門
同年11月1日より前座。前座名「桂 才ころ」
平成15(2003)年5月1日 二ツ目に昇進して「桂 才紫」と改名
平成26(2014)年3月21日 三代目「桂 やまと」を襲名して真打昇進
受賞 Awards
平成24(2012)年 「第11回 さがみはら若手落語家選手権」 優勝
平成13(2001)年 「第6回 岡本マキ賞」受賞
落語家という道―—これまでの歩み
落語に出会ったのは19才。
大学浪人時代二年目に、浅草演芸ホールに足を踏み入れた。
入った寄席はそれまで経験したことのない大人の空間だった。
話芸のみで観客が抱腹絶倒する姿を目の当たりにし一気に落語にのめり込む。
中央大学進学とともに落語研究会入会。
学生落語に親しみ、1年生の終わりに落語家になることを決めた。
中大落研には「プロになってはいけない」という教えがあり多くのOBから反対されたが、意志をまげることなく夢に向かって進んだ。
また親も大反対したが3年間の説得の末に許しを得て、卒業とともに当時の中大落研指導役(現・顧問)であった桂才賀に入門。
師匠才賀は「学生時分の癖や知識は何の役にも立たない」と一刀両断。
すべてをゼロにすることから修行が始まった。
才賀の修行は周囲から見ても厳しかったようで「それぐらいで勘弁してあげなよ」と止めが入ったこともあった。
見習いから前座に昇進し寄席やホール落語会で懸命に働き、二ツ目になると数々の勉強会で積極的に研鑽を積んだ。
入門から15年経った平成26(2014)年春、大正時代以来の名跡『桂やまと』を三代目として89年ぶりに襲名、真打昇進。
前座、二ツ目と修行が進むにつれ「噺の登場人物を浮き上がらせる芸」を目指すようになる。
自分を消さずに登場人物が浮かび上がれば「至芸」といえる。
二ツ目後半からは一日に40本吸っていたタバコをやめ、真打になってからは毎日1升は飲んでいた酒もすべてやめて芸道に打ち込む。
長唄の太鼓や小鼓にも精進を重ね、令和元(2019)年には東京の落語界では唯一の邦楽囃子望月流の名取となる。
どこまでもお客様に喜んでいただける芸を目指し、日々精進中。
TV・ラジオ出演 TV&Radio
平成17(2005)年4月~20(2008)年3月 毎週日曜日全国生放送、NHKラジオ第一『サンデージョッキー』レギュラー出演
平成26(2014)年3月 BS11『柳家喬太郎の芸賓館』、TBSラジオ『らんまんラジオ寄席』
平成26(2014)年5月 日本テレビ『笑点』
平成26(2014)年7月 チバテレビ『浅草お茶の間寄席』
平成26(2014)年12月 NHKラジオ第一『真打ち競演』
平成26(2014)年12月 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』
平成27(2015)年1月 TBSラジオ『らんまんラジオ寄席 新春スペシャル』
平成27(2015)年7月 NHK Eテレ『シャキーン!』
平成27(2015)年9月、平成30(2018)年3月、7月、令和2(2020)年8月 NHKラジオ第一『ラジオ深夜便』
令和3(2021)年1月 BS-TBS『落語研究会』
令和4(2022)年6月 BS-TBS『落語研究会』
新聞・雑誌掲載 Press
平成20(2008)年1月 『月刊ポプラディア 2008.1月号 特集:落語を楽しもう!』(ポプラ社)
平成26(2014)年3月 『HAKUMON Chuo 2014 早春号 No.235』(中央大学広報室) 「OB探訪 中大落研初の真打昇進」
平成27(2015)年4月 『ほっとタウン No.316』(荒川区芸術文化振興財団) 「第236回 荒川の人」
平成28(2016)年3月 『週刊朝日』掲載
舞台出演 Stage
平成17(2005)年3月 朗読劇『セロ弾きのゴーシュ』(「クラシックと落語」)出演:峰岸徹、鈴々舎わか馬、桂才紫 演出:たかざわひろみち「セロ弾きのゴーシュ」
平成20(2008)年3月 朗読劇『セロ弾きのゴーシュ』(「クラシックと落語」)出演:上條恒、鈴々舎わか馬、桂才紫、たかぎひろみち、吉田早苗(ピアノ)、佐藤千鶴子(チェロ)
平成20(2008)年10月 ミュージカル『FAMILY』上條恒、伊藤俊彦/脚本・演出 KAZZ/音楽 会場:TACCS1179
平成21(2009)年6月 ミュージカル『TOMMOROW』劇団【三ツ星キッチン】旗揚げ公演 上條恒/脚本・演出 伊藤俊彦/構成 KAZZ/音楽 会場:赤坂レッドシアター
平成22(2010)年7月 ミュージカル『home』劇団【三ツ星キッチン】第3作 上條恒/脚本・演出 伊藤俊彦/構成 KAZZ/音楽 会場:赤坂レッドシアター
令和2(2020)年10月 朗読劇『日の名残り』原作:カズオ・イシグロ(早川書房刊) 訳:土屋政雄 上演台本・演出:村井 雄 出演:眞島秀和/大空ゆうひ・小島 聖(ダブルキャスト)/マキノノゾミ/桂 やまと・ラサール石井(ダブルキャスト) 会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
映画出演 Movie
令和5(2023)年8月公開 『高野豆腐店の春』監督:三原光尋 出演:藤 ⻯也/麻生久美子/中村久美/徳井優/山田雅人/日向丈/竹内都子/菅原大吉/桂やまと ほか
監修・指導 Supervision&Coach
平成20(2008)年11月2日 つんく♂プロデュース『ナイスガールプロジェクト』のイベント【ナイスガールプロジェクト 初めての寄席~ナイスなひと時~】(新宿末廣亭)において、半年間アイドルたちに落語指導・番組監修
平成22(2010)年6月~ (一社)落語協会の前座鳴物指導
平成26(2014)年7月~12月 テレビ東京『乃木坂って、どこ?』企画にて、松井玲奈さん(乃木坂46/SKE48/AKB48)に『時そば』指導
中央大学落語研究会 指導役
東北学院大学落語研究会 演技顧問(~2019年3月)
修行中の芸能 Other arts
平成26(2014)年6月~ (一社)長唄協会 望月初寿三に師事。門弟として邦楽囃子(長唄太鼓・小鼓)を修行中。
令和元(2019)年5月26日 邦楽囃子望月流宗家家元・十二代目 望月太左衛門より「望月初秀樹」の名を許される。