師匠 桂才賀の葬儀を終えて(2025年2月26日)

このたび、通夜、告別式と本当に大勢の方々に見送っていただき、師匠の桂才賀があの世へと旅立っていきました。
あらためまして生前のご厚情に深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
訃報を受けてから葬儀に至る中で、師匠家族に寄り添いながら、私ができることを精一杯務めさせていただきました。

才賀に入門して丸26年。師匠と直弟子がずっと一対一ということもあり、いろんなことがあり過ぎるくらいありました。
初めての弟子なだけでなく、修行の仕方もスタンダードな感じでは全くなかったので、毎日が正直大変でした。
でも仕込んでくれている師匠のほうがよっぽど大変だったと今では理解しています。

食らいついているうちに師匠の思う通りに動けるようになり、だんだん小言が減って、二ツ目になってからは穏やかな会話をしてくれるようになりました。
「信頼」とひと口に言いますが、信頼は本気の行動から生まれるものだと私は思ってます。
才賀の修行を通して得たことです。諦めず食らいついて良かったと思っています。

斎場のロビーにスピーカーを置いて、師匠の十八番のひとつだった「首屋」の一席や、『才賀といえばこちら!』ということで、新舞踊篠原流で使わせていただいておりました、北島三郎さんの「函館の女」と一節太郎さんの「浪曲子守唄」も流してお聞きいただきました。
またこちらの写真は棺に入れたものの抜粋ですが、前座の時の圓朝まつり、新宿末広亭での「函館の女」、3枚目は真打昇進挨拶回りの時のもの。2人並んで自撮りです。

この時の様子を見ていた一緒に昇進した兄さんたちが、「自撮りしてる師弟なんて見たことねえぞ!?」と大変羨ましがられました。そのうえ師匠はやっぱり変顔してくれてるし。
あとは師匠がずっと通いつめていた上野の『もつ焼きカミヤ』さんでいつも使っていた名前入りの箸。棺に納めさせていただきました。
まだまだ想いが溢れてきますが、今は安らかに天へと昇ってくれることを願うばかりです。

皆様ありがとうございました。

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