皆さんこんにちは。東京は一気に春めいてきました。花粉も飛びまくっております。そんな今日は3月21日。師匠才賀の月命日です。あの世へと旅立ってしまってまだひと月しか経ってませんが、グルグルといろんな思いが駆け巡ったひと月でした。
弟子として一緒にいられたのは26年でしたが、その前の中大落研で過ごした4年間、落研指導役をずっと務めていた才賀にはその頃から大変お世話になりました。
そう、初めて出会ったのは私が大学1年生の時。中大落研の夏休み恒例、自衛隊体験入隊(!!)でした。全国に落語研究会がたくさんありますけど、自衛隊の体験入隊に行っていたのは間違いなく中大だけでしょう。
これは才賀が落語家になる前に海上自衛官だったので、「普通じゃできない経験をさせてやりたい」という師匠らしい親心でした。だから私も学生時代には陸・海・空と体験入隊させていただきました。貴重すぎる経験です。
さてこの年は海上自衛隊横須賀教育隊での2泊3日の体験入隊。私たちは品川から京浜急行に乗って、終点の三崎口を目指していました。
「才賀師匠は横浜を過ぎた駅から乗ってくるから、まずはちゃんと立って挨拶しろよ!」
幹事長から1年生全員に当たり前のような指示が出ました。ええ、10人近く1年生はいましたが、そんな当たり前ができない連中ばかりだったもので……。実に落研らしいです。私はその中でもトップクラスでできない部員でしたねぇ。
横浜を過ぎてから約束していた駅のホームへと列車は近づき、まもなく停車という時。師匠が仁王立ちしているのが窓越しに見えました。その瞬間、私は心の中で叫んでいました。
「あっ、笑点に出てた本物の才賀師匠だ!!」
テレビっ子だった私は子どもの頃から『笑点』を欠かさず見てましたし、コワモテの桂才賀という独特なキャラクターは、『笑点』をやめて7年経った当時もはっきり覚えていました。
列車のドアが開いて師匠が乗ってきました。事前の注意も必要ないくらいに自然とみんな立ち上がっていました。才賀の全身から出ている雰囲気がそうさせていました。一斉に「おはようございます!!」と挨拶しました。
「オウ!」
師匠の言葉は、そんな一言だったと思います。
これから本当に本当に長い付き合いが始まることになろうとは、その時は全く思ってませんでした。
今でもこの出会った時のことは鮮明に覚えてるんです。きっとこの先も忘れることはないでしょう。そして体験入隊がきつかったことも……。
師匠才賀との思い出をせっかくなので時々アップしていきたいと思います。とにかくいろいろあり過ぎて、選ぶのが大変ですわ(笑)。
お時間ございましたらご高覧いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
