6/22(日)の二日目は、江戸っ子のドタバタが楽しい「百川」の一席をお届けいたします。

この噺は二ツ目の頃に、同じくまだ二ツ目だった柳家甚語楼兄さんから教わりました。こちらは当時から若手とは思えない風格と実力を兼ね備えた噺家の一人で、他にもいろいろと稽古していただきましたよ。

甚語楼兄さんの「百川」を聴いたのは、私が前座の時でした。『夢みる前座』という前座三人会をやってたんです。

そのゲスト出演で兄さんが「百川」をやってくれたんですけど、ほぼ満席の日本橋亭が大爆笑でしたね。

私たち前座との実力の差を見せつけてくれたわけですが、実に清々しかったなぁ。「オレもこうなりたいな〜」って思いましたもん。

そして決めたんです。「いつか『百川』をこの兄さんから習おう」と。

「百川」という噺は昭和の名人、三遊亭圓生師匠が大きくしました。田舎から出てきた百兵衛さんの奉公初日が舞台となっていますが、この百兵衛さんの描き方でガラリと印象が変わる一席なんですよね。

圓生師匠の演出では「図太くて動じない男」って感じですが、私は甚語楼兄さんと同じく「初めての江戸で真面目に一生懸命働こうとする男」が百兵衛さんだと考えています。

この解釈の違いが、百兵衛さんの返事の仕方に表れてくるんだから面白い。落語って実に奥が深いのよ〜。

早くもこの巻も結びになりますが、「百川」の主人公は誰でしょう??

百兵衛に決まってるだろ、とお考えの方。はい、正解です。でもねでもね、私は河岸の若い者たちを主人公として演じてるんです。これ、最大のポイントだと思っています。えへへ。

そんなことを頭の片隅に置いていただきながら、22(日)はぜひぜひ鈴本演芸場でやまとの「百川」をお楽しみくださいませ。どうぞよろしくお願いいたします!!

★2025年6月21日(土)~30日(月) 鈴本演芸場主任興行「桂やまと本寸法厳選十席」詳細はこちら→ https://yamato3rd.com/?p=4729

【割引チラシ※画像提示可】