この主任興行も後半戦に入っていきます。私もきっとノリノリのことと思います。
26(木)は「柳田格之進」の一席をお届けいたします。別名が「柳田の堪忍袋」。堪忍袋の緒が切れる、ってあの堪忍袋ですね。
ここで「堪忍袋って何なのよ??」って疑問がわいてくるんですが、調べてみると七福神の布袋様が背負っているあの袋のことだと、いろんなお寺さんがホームページで書いてますね。
ニコニコしていられる源は、良いことも我慢していることも、あの大きな袋につめこんでいるからなんでしょう。
正直すぎるために窮地に立たされた侍、柳田格之進。この噺を教わったのは、「鰻の幇間」と同じく古今亭志ん橋師匠です。
もう柳田の生き写しのような師匠でしたので、稽古の時もすんなりと噺が入ってきましたね。まさに『芸は人なり』を感じた瞬間でした。
ちなみに「井戸の茶碗」も志ん橋師匠から習いましたが、この噺も最初の人物像や設定が「柳田格之進」とよく似ています。もちろん噺の内容は違いますけどね。
元々が講談ということもあり、落語としては固い印象がある噺です。でも非常に魅力があって、古今亭一門だけでなく多くの落語家が演じています。その魅力ってなんだろう……って考えると、「こういう人いるよね」と共感できる点と、「いやいや、こんなことしなくていいんじゃない!?」とすぐには飲み込めない点があるからじゃないかしら。それは聴いていただいてからのお楽しみということで。えへへ。
現代に照らし合わせてみると、真面目な人が馬鹿を見る世の中なんて、やっぱりつまらないと私は思うんです。
「真面目に生きなさい!」って言われながら人って育てられるもんですが、大人って結構ズルしたり嘘ついたりしますでしょ?
だから「人間は嘘をつきます」ってえのが一番正直な意見だと思うんですが、皆さんどう思いますか(笑)。
さて今回の結びになりますが、この噺のキーパーソンは柳田の娘「絹」です。お絹さんの了見にご注目ください。ではではお待ちしております!!
★2025年6月21日(土)~30日(月) 鈴本演芸場主任興行「桂やまと本寸法厳選十席」詳細はこちら→ https://yamato3rd.com/?p=4729